佐藤優■ 国家の謀略
最初数百人いた候補者が10名程度に絞り込まれ、最後に胆力の試験がある。例えばこんな〝指令〞が出される。
「〇月×日、午前2時、身分証明書や運転免許証など、人定(人物確認)ができる書類を一切もたずに首相官邸の前に来い。親、家族、友人等、われわれの組織関係者以外と連絡をとることは一切禁止する。万一、解決不能のトラブルに巻き込まれた場合、××庁に連絡し、認識番号△△△△が助けを求めています、と言え」
それと同時に、インテリジェンス機関関係者が、匿名で警察に「挙動不審者が深夜、首相官邸付近に現れるという情報がある。テロリストかもしれない」という通報の電話をする。
機転を働かせて、うまく逃げた者だけが採用されるのだ。
――Ⅰ インテリジェンスという名のゲーム
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■ 国家の謀略│佐藤優|小学館|2007年 12月|ISBN/:9784093897327
★★★★
《キャッチ・コピー》
佐藤優氏による“初のインテリジェンス指南書”。世界のインテリジェンス哲学・技法から、スパイは「酒・金・セックス」を使ってどのように標的を籠絡するかまでを伝授。この「情報工学」を官僚だけに独占させておく手はない、ビジネスマン必読。
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