馬場直之■ おじさんバックパッカーのアジア一人旅――定年後は第二の青春
ようやくベトナムへ行ってみる決心がついた。東南アジアの国々の中でこの国だけが未踏破となっている。案内書は2年も前に買い込んだのだが、今まで逡巡し続けてきた。
理由はただ一つ、この国はインドと並んで、世界一の「心安らかならざる国」としてバックパッカーの間で悪声をはせている。
何しろ、旅行者と接するあらゆる人間が、身ぐるみ剥がしてやれと待ちかまえており、この国を旅すると心身ともにくたくたとなるという。あの米国を叩きのめした国、ひと筋縄でいく国ではない。
しかし、一方ではなんとも心誘う国である。アオザイ姿のベトナム女性は魅力的だし、ベトナム料理の美味しさは世界に知れ渡っている。世界遺産も5ヶ所を数える。乾坤一撒、その大地を踏みしめてみようか。
――第3章 ベトナム紀行
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■ おじさんバックパッカーのアジア一人旅――定年後は第二の青春|馬場直之|文芸社|2007年 12月|ISBN:9784286039428
★★★
《キャッチ・コピー》
セカンドライフは好きなことをすると決め、バックパッカーになったおじさんの東南アジアとバングラデシュのぶらりぶらりな旅行記。
《memo》
そしてベトナム旅行の結果は、以下……。3月にサイゴンへ行く予定なのだが……。
「ベトナムで過ごした24日間に思いをはせた。これまでアジアのいろいろな国を旅したが、どこの国とも似ぬ、まったく違うタイプの国であった。一言で言えば、旅行者にとってなんとも腹立たしい国であった。おそらく、ベトナムが辿ってきた困難な歴史が、このような国民性を育んだのだろうが」
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