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2008.03.26

木村紺■ 神戸在住(7)

Kimurakobe7

あの頃の思い出はどれも不自然な程、白い。

もしかしてそれは正視を拒む私の心が、記憶を漂白したせいかもしれない。

彼の絵を初めて目のしたのは、あるタウン情報誌の特集ページだった。

「また見てんの? なに? たっきー、その絵気に入ってんね」

「うん」〔…〕

初めてその絵を見た瞬間、私の身体を電気のような痺れがかけぬけた。

それは、パステルカラーで描かれた一匹の猫。〔…〕

しばらく行方知れずだった飼い猫が、満月のその日に帰ってきた。

今はもういない「たんぽぽ」の面影を、このシンプルな絵の中に私は見出した。

「月を見ている猫」と題されたその絵に触発されて、わたしはかつてなく真剣に、一枚の絵を描き上げた。〔…〕

「卒業したら引越しですか。志望校決めてる?」

「はい、あちらの学校で文学部に美術科があるので、そこに」

――「あの猫の絵を描いた人がいる街で、私も絵を描いてみたい」と。

――挿話・日和さんとの出会い

*

*

■ 神戸在住(7)|木村紺|講談社|2005 02月|コミック|ISBN9784063211672

★★★★

《キャッチ・コピー》

――読めばきっと神戸に住みたくなるはず!?

20080326fromkobe07

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