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2008.03.27

木村紺■ 神戸在住(8)

Kimurakobe8

広すぎる空。

めまいがした。

その空から目が離せなくて、

ベンチに座って天を仰いでいたら、見知らぬお婆ちゃんに、声をかけられた。〔…〕

「そこなあ、わたいの友だちが住んでおってね。尋常小学校から一緒におった子でねえ。そら仲の良()え友だちやってんよ」

 指さした先を目で追うと、そこは基礎ばかり残る、空き地だった。

 ふり返ると、穏やかな笑顔。

 かつてここは災害地だった。

心がきしむ様な映像は、忘れられない。だけどいくら想像しても、所詮はテレビの中の出来事で、遠い遠い手の届かない世界の事だと思っていた。

 笑顔で幼なじみの事を話すお婆さん。過去形で語られるひとつひとつの裏側に、表情とはうらはらな哀切さをくみとった。屈託のない笑顔だったけれど、私は、正面から向き合うことができなかった。

――第77話 神戸に来た日。

*

*

■ 神戸在住(8)|木村紺|講談社|2006 02月|コミック|ISBN9784063211757

★★★★

《キャッチ・コピー》

――読めばきっと神戸に住みたくなるはず!?

20080327fromkobe08

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