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2008.03.28

木村紺■ 神戸在住(9)

Kimurakobe9

――覚えている。闇深い、とある五月夜。母に、そっと起こされた。

「あんたに電話。お友達から」〔…〕

「……ねとった?ごめんなっ、こんな時間に……」

「ん、うん、どう?元気にしているのかなあ」

――泣いていた。

長い沈黙があり、そして、

「……、あんっな?あたしが日本に戻ったらどない思われようやろ。みんな何か言いようやろか……」

――しぼりだすような、か細い声。

「……、フー……」

何かつらい出来事があったのだろう。洋子ちゃんはすごく傷ついていた。本当は「彼女には夢をあきらめないでほしい」と思っていたけれど、だけどそんな台詞は、家族も友達もいるこの神戸でぬくぬくと暮らす私が気安く口にしていい台詞じゃない。

「誰も何も言ったりしないよ。帰りたくなったら帰ってきなよ。わたしもひろこちゃんに会いたいし」

――「今はくじけてもいい」そう思った。

――第83話 花のパリからあの人が。

*

*

■ 神戸在住(9)|木村紺|講談社|2006 11月|コミック|ISBN9784063211818

★★★★

《キャッチ・コピー》

――読めばきっと神戸に住みたくなるはず!?

20080328fromkobe09

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