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2008.03.04

村上龍■ 案外、買い物好き

20080304murakamianngai

買いたいものがある。ステッキだ。自分でも理由はよくわからないのだが昔からステッキが欲しかった。

パリの定宿のそばにステッキと傘の店があって、いつか買おうと思っていたのだがトランクに入りにくそうで、機会を逃していた。

現在の日本社会ではステッキはどうしても高齢者で足腰の不自由な人のためのものというイメージが強い。だがある医療関係者に聞いた話だが、高齢者ではなくても、ステッキを持つのは事故の予防にいいらしい。ある本によるとステッキは体重の十分の一を軽減して支えてくれるそうだ。わたしは腰が悪いのでステッキはさらに重要な支えとなるはずだ。〔…〕

ヨーロッパではステッキを持つ紳士を普通に見かける。高齢者だけのものではないことがわかる。中年の男がステッキを持って歩いているのだ。彼らは実に自然でよく似合っている。

何が違うのかを考えてみると、ステッキを持って歩いているおじさんたちは、背筋がしゃんと伸びていて、しかもきちんとしたファッションで決めていて、持っているステッキそのものもかっこいい。

――「オシャレにステッキ」

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■ 案外、買い物好き│村上龍|幻冬舎|2007 11月|ISBN9784344014176

★★

《キャッチ・コピー》

ミラノのシャツ屋からソウルのデパ地下まで、世界の都市と旅と買い物をめぐるエッセイ。

村上龍■ すぐそこにある希望――Men are expendable vol.9

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