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2008.04.10

岡部伊都子■ 遺言のつもりで――伊都子一生語り下ろし

20080410okabeyuigon

わたしの人生は、病気から学んできたもんや。元気な人が走って通り過ぎるところを、わたしは走れないから、うずくまって、みみずみたいに歩いていますやろ。目の視野が違いますがな。そやから、わたしの人生は病気が発掘してくれた、教えてくれたと思うています。〔…〕

生まれて一年たつかたたんうちに中耳炎になって、聞こえなくなってしもた。聞こえん右の耳は、こないに大きいて、左の耳とずいぶん違うでしょ。

だから一生、こちらの小さい左の耳にお世話になっているけど、右のほうが福耳の形してますねん。みんなに福耳やと言われていますねん。〔…〕

こっちの耳な、聞こえんほうの耳にな、なんや、ええことをささやいてくれはった男の人が、ぎょうさんいてはったけど、聞こえなんだわ。

そんで、聞こえるほうの耳をもっていくやろ、ほならキスしてくれ言うてるみたいになりますねん。なんぎゃなぁ。

もう80過ぎになって、そういうことからも解放。50歳ぐらいまでは、そういうこといっぱいありました。

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■ 遺言のつもりで――伊都子一生語り下ろし│岡部伊都子|藤原書店|2006 01月|ISBN9784894344976

★★★

《キャッチ・コピー》

しなやかで清らに生きた「美しい生活者」の半生。

私は病気ばっかりしていますけどな、最期の瞬間まで人としての自分を育てたいと、私はまだそう思っています-。しなやかで清(ちゅ)らに生きた「美しい生活者」が、自らの半生を語る。

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