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2008.04.24

遙洋子■ 女の敵

20080424harukaonnanoteki

ひとりの上司は「女は若くて美人が一番」と豪語し、職場に愛人を呼び、打ち合わせはその愛人と手をつないで、という豪放磊落なタイプだった。アシスタントの私に対しても、ちょっと暗闇だと手を握ってきたりもした。

今でいうと立派なセクハラだ。私が灰皿に気づかないと怒鳴りつけるような、そんな〝古いタイプ〞だった。本番中もその態度は変わらず、自らの古い価値観を放送でも思う存分主張した。

しかし、コマーシャルのとき彼は私を叱った。

「もっとしっかり僕に反論せんか」

彼は私にもまた、彼とは異なる意見をしっかり主張することを要請したのだった。

もうひとりの上司は違うタイプだった。どちらかというと誠実さが売りで、女性に反発されそうなことは公私共にいっさい口にしなかった。女性に優しいという意味で「僕はフェミニスト」と自負もしていて、どの女性に対しても紳士的で女性ファンが多かった。

セクハラなどいっさいなく、時代の〝新しさ〞を走るタイプだった。しかし、その男性はアシスタントの私が本番中に発言することを嫌った。私は彼が上司である間、私はひたすら寡黙で笑顔を絶やさない古典的な女になることに集中した。

さて、この異なるタイプの二人の上司、どちらが女性差別主義者だといえるだろうか。

――「仕事をくれるセクハラ上司、仕事をくれないフェミニスト上司」

*

*

■ 女の敵│遙洋子|日経BP社|2007 12月|ISBN9784822246259

★★★

《キャッチ・コピー》

働くオンナの行く手を阻むのはオヤジだけじゃない。

「敵」に悩む働く女性たち、そんな女性と席を並べて働く男性たち、どちらにとっても、読んですっきり溜飲の下がること請け合いです。

memo

日経ビジネス・オンライン連載中

遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」

遙洋子■ 働く女は腕次第

遙洋子■ハイブリッド・ウーマン

遙洋子■介護と恋愛

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