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2008.05.22

米原万里■ パンツの面目ふんどしの沽券

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なんとソ連人だけでなく、イタリア人もフランス人もオーストリア人も、

「えっ、日本て女の子でも学校にズボンはいていっていいの?!

とひどくビックリしてわたしを見た。あれは蛮族を見る目だった。

そしてイギリス人のエリスは、忘れもしない、こう言ったのである。

「パブリックスクールだってダメなのよ。姉のマーガレットはケンブリッジに通っているけれど、あそこも女学生のズボン着用は厳禁よ」

こうしてわたしは、ヨーロッパ文明圏の人々における「男はズボン、女はスカート」という固定観念の頑強さを思い知ったのだった。

15世紀、フランスの救国の英雄ジャンヌ・ダルクが捕らえられ、火あぶりの刑に処せられた時、教会は彼女の罪状に、男用のズボンを着用した罪を書き加えたし

18世紀、フランス大革命の際に断頭台の露と消えたマリー・アントワネットは、革命が勃発するよりずいぶん前に命を落とす可能性があった。ズボン姿で公衆の面前に現れたため、怒り狂った群衆にすんでのところで八つ裂きにされかかったのである。

――23章 モンゴル少女の悔し涙

*

*

■ パンツの面目ふんどしの沽券|米原万里|筑摩書房|2008 04月|文庫|ISBN9784480424228

★★★

《キャッチ・コピー》

十字架上のイエス・キリストの下着はパンツか、ふんどしか、腰巻か。幼少期に芽生えた疑問を心の中であたため続け、長じて作家となった著者は、パンツ・ふんどしをめぐる世界史的な謎の解明に挑むことになる。抱腹絶倒&禁断のエッセイ。

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