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2008.05.17

塩崎利雄■ 実録極道記者

20080517siozakijiturokugokudou

あまりに素直に接していたので、私の態度もついつい大きくなってしまった。この時点ではま扉だ、早坂のことを、単なる金持ちのおっさんとしか認識していなかったのだから、それも無理からぬ話だ。

そのうち、我々の席にひとりの男が寄ってきた。

「会長、いつもお世話になっています。ご一緒させていただいてよろしいでしょうか」

声の主に目をやるとすぐに、それが小林旭であることが分かった。〔…〕

だが、小林旭の同席などは、前座のようなものだった。早坂の凄さを痛感させられたのは、むしろこの直後のこと。

「とっつあん、コーラ飲みながら姉ちゃん口説いたって様にならないよ」

後ろの席に座っている人物に早坂氏が声をかけた。

「大きなお世話だ」

相手も笑いながら、早坂に反論する。

よくよく見るとそれは、当時、赤坂の帝王の異名を取り、後に『破天荒ヤクザ伝』という自伝にすらなった住吉会五代目総長・堀政夫の兄貴分である住吉会の超大物、浜本政吉、まさにその人だった。早坂はその人物とタメ口で喋っているのだ。〔…〕

それまでは大股開きで肘掛に両の手を投げ出し、デンと構えていた私だったが、次第に足は閉じていき、手も膝の上……。

――第4章 バブルの波間に漂いながら

*

*

■ 実録極道記者│塩崎利雄|祥伝社|2007 11月|ISBN9784396411008

★★★

《キャッチ・コピー》

反省、後悔は死んでからだ!ギャンブル小説「極道記者」の著者が、波乱万丈の幼少時代から、ハチャメチャだった東スポの記者時代、ケイシュウニュース移籍、今に至るまでの博徒人生を赤裸々に綴る。

memo

掲出の「早坂」とは、元祖「地上げの帝王」と呼ばれた最上恒産のオーナー社長・早坂太吉のこと。

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