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2008.06.19

徳岡孝夫■「民主主義」を疑え!

20080619tokuokaminsyu

チベット高原を走る路線の平均海抜は4,500メートル。乗客が高山病にかからないよう車輌は密閉され、ときどき座席の下から酸素が噴き出すという。そうしないと、高山病は命にかかわることがある。

北京から48時間。レールは半永久凍土地帯を足る。列車の重みや地球温暖化の影響で凍土が融け、橋やトンネルがズレれば、大事故になる。アンモニア水を詰めた鋼鉄製パイプを線路沿いに埋め、地中の熱を吸い取る技術を開発して使ったそうだ。

2006715日、ラサ駅での祝賀行事では、「青海、チベットの経済・社会発展や民族団結に重要な意義を持つ」旨の胡錦涛国家主席の祝辞が読み上げられた。〔…〕

しかし青蔵鉄道が「民族団結」に役立つって、どういう意味だろう。米国の大陸横断鉄道がそうであったように、またシベリア鉄道という大鉄道もそうであったように、大鉄道の眼目は、中央政府の権力の浸透にある。指導者の意志を届きやすくするだけでなく、中央官僚による辺境管理と収奪をより厳しくすることにある。

チベットは古来、民族と言語と文化と信仰をシナと異にし、一度もシナの一部ではなかった。

1951年の人民解放軍による侵略。59年の叛乱鎮圧とダライ・ラマ脱出。中国外務省報道官は、どの口で「われわれは一度も外国を侵略したことがない」と言えるのか。

――大陸横断・青蔵鉄道と「心の問題」

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■「民主主義」を疑え!|徳岡孝夫|新潮社|2008 02月|ISBN9784103804031

★★★

《キャッチ・コピー》

人は民主主義をさも大切な、ほとんど神聖なもののように言う。だが実践してみると、それは何よりまず退屈で、知的刺激がない。民主主義の下では「問題」は大きくなるが「人」は小粒になる。多数決や妥協からは輝きが発しない。

マイケル・ダナム/山際素男:訳■ 中国はいかにチベットを侵略したか

楊中美/趙宏偉■ 胡錦濤――21世紀中国の支配者

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