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2008.06.27

小林信彦■ 映画×東京とっておき雑学ノート――本音を申せば

20080627kobayashieiga

公害が問題になり、工場の廃水が制限されて、隅田川はなんとか生きかえった。白魚を見かけたという新聞記事もあった。1970年代だったろう。

東京の下町というものに対して、何か大きな誤解が横たわっているとしか思えない。人びとは東京の下町に下町を求めるのではなく、田舎を求めているようにさえ思える。奇妙な「下町」ファンタジー。……〉

と、中野翠さんがぼくの文庫版「和菓子屋の息子」に解説を寄せて下さった。ぼくでも言いにくいことが、ズバリと指摘されていた。

1980年代バブル期、下町が〈地上げ〉で食い荒らされ、下町が消えてゆくのと同時に「下町」ファンタジーが幅をきかせるようになった、と中野さんは言う。

つい23日前、隅田川がまた汚され始めたという新聞記事を目にした。

こういう〈汚れ〉と〈昭和30年代ブーム(幻想)〉はうらおもての関係にあるのではないだろうか。

――「日本橋バビロン」余話

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■ 映画×東京とっておき雑学ノート――本音を申せば|小林信彦|文藝春秋|2008 04月|ISBN9784163701301

★★★

《キャッチ・コピー》

自分の眼で見たことしか信じない「時代観察者」の面目躍如!「映画」と「東京」の現在とうつろいを克明に記す。

小林信彦■ 日本橋バビロン

小林信彦■ 昭和が遠くなって-本音を申せば

小林信彦■昭和のまぼろし――本音を申せば

小林信彦■昭和の東京、平成の東京

小林信彦■東京少年

小林信彦■うらなり

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