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2008.06.16

伊藤正■ 鄧小平秘録(上)

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天安門広場は学生らに代わって数十台の戦車が占拠した。北京では64日以降も市民の抵抗は続き、ときどき銃声が響いた。抗議デモが各地で起こり、外国政府の非難声明が相次いだ。

鄧小平氏は516日のゴルバチョフ・ソ連共産党書記長との会談を最後に公開の場から消えたが、69日、戒厳部隊幹部と会見、健在ぶりを示した。笑みを浮かべ、将官に言葉をかける鄧氏は上機嫌に見えた。

しかし「心の底では痛みを感じていたはず」と楊継縄記者は、上層部に近い友人から聞いた話を書いている。

「天安門事件後、鄧小平は家では、一日中もんもんとして話をせず、数年前にやめたたばこを吸い続けた。卓琳夫人がいさめると『わしにはたばこを吸う自由もないのか』とどなった。毛毛(三女鄧榕氏)が『自由が欲しいですって? 学生は自由を求めて天安門前に座り込んだのよ。あなたも座り込みに行きなさいよ!』と揶揄した」

その時、84歳。鄧小平氏は政治からの「完全引退」を決めていた。「武力鎮圧以外に選択の道はなかった」と自らに言い聞かせながら。

――第1部・「天安門事件」

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■ 鄧小平秘録(上)|伊藤正|産經新聞出版/扶桑社|2008 02月|ISBN9784594055479

★★★

《キャッチ・コピー》

現代中国の栄華と弊害を生み出した 指導者は何を考え、何をしたのか?

改革・開放で驚異の経済成長の礎を築いた鄧小平。一方で天安門事件では徹底的な弾圧を敢行し、人民を震え上がらせてもいる。稀代の指導者の人となりは? 彼は何を考え、何をしたのか? 現代中国を動かした指導者の遍歴を明かす話題の書!

藤野彰:訳/毛毛■ わが父・鄧小平「文革」歳月(上)(下)

高文謙/上村幸治:訳■ 周恩来秘録(上)(下)-党機密文書は語る

本田善彦■ 日・中・台 視えざる絆-中国首脳通訳のみた外交秘録

内田樹■ 街場の中国論

遠藤健治■ 中国コピー商品対抗記

杉本信行■ 大地の咆哮――元上海総領事が見た中国

水谷尚子■ 「反日」解剖――歪んだ中国の「愛国」

水谷尚子■ 中国を追われたウイグル人――亡命者が語る政治弾圧

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