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2008.06.29

梨木香歩■ 西の魔女が死んだ

20080629nashikinishino

「ママは、まいに見せたくないものを片づけに行ったんです」

「えっ」

 まいは驚いた。

「なんだろう。わたし、見たいなあ」

おばあちゃんは、やはり、にやりとして首を横に振った。

「まいにも、人に見せたくないものはあるでしょう」

「そうかなあ」

まいは一応とぼけた。

「人は大人になろうとするとき、そういうものがどんどん増えていくんです。まいのママは……」

と言って、おばあちゃんは、煙草とマッチの箱と灰皿を取り出し、煙草に火をつけた。

「あの部屋で大人になっていきましたから、そりゃあたくさんあると思いますよ」

*

*

■ 西の魔女が死んだ|梨木香歩|新潮社|2001 08月|文庫|ISBN9784101253329

《キャッチ・コピー》

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。

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