« 村松友視:編■ 愛するあなたへの悪口 | トップページ | 伊藤正■ 鄧小平秘録(上) »

2008.06.15

佐々木譲■ 制服捜査

20080615sasakiseihuku

川久保は思った。この町の最初の窓ガラスが割れたのは、ずいぶん昔のことだったのではないか。少なくともそれは、川久保が駐在警官として赴任してきた後のことではない。

自分には、この町の町並みには、割れた窓ガラスがいくつも連なって見える。たぶんこの荒廃は、行き着くところまで行ってしまうにちがいない。

もう誰も、その流れを止めることはできない。少なくとも、駐在警官の自分にできることではなかった。

川久保は、自分が小石を放って、新たに姦窓ガラスを割る情景を想像した。それは、かなり小気味のよい想像だった。

――「割れたガラス」

■ 制服捜査|佐々木譲|新潮社|2006 03月|ISBN9784104555048

★★★

《キャッチ・コピー》

警察官人生25年。不祥事をめぐる玉突き人事のあおりで、強行犯係の捜査員から一転、単身赴任の駐在勤務となった巡査部長の川久保。

「犯罪発生率、管内最低」の健全な町で、川久保が目撃した荒廃の兆し、些細な出来事。連作短編。

memo

5編中「仮装祭」が逸品。2006年、「このミステリーがすごい!」国内編第2位。

今野敏■ 隠蔽捜査

今野敏■ 果断――隠蔽捜査2

|

« 村松友視:編■ 愛するあなたへの悪口 | トップページ | 伊藤正■ 鄧小平秘録(上) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 村松友視:編■ 愛するあなたへの悪口 | トップページ | 伊藤正■ 鄧小平秘録(上) »