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2008.06.13

斎藤貴男■ 分断される日本

20080613saithobundan

第三者評価。格付け。いわゆる″勝ち組″〝負け組〞の言い回し……。

すっかりマスコミに定着した表現の数々は、どれも醜くて浅ましい。

生産効率のみを至高の価値観とし、そのためなら人間を悪意的にかつ数値的にランキング化して恥じない世相の産物が、これからも大手を振って罷り通っていけば、この世の中には救いのない格差社会だけがもたらされることだろう。〔…〕

こう言うと必ず、人間の個人差を認めないのか、格差を直視せよ、などとの反撃が返ってくるのが近頃の傾向だが、お門違いも甚だしい。

現実を直視するのは当然のことだ。しかし、それで思い知った格差をそのまま肯定し、あるいは受容してしまう態度ばかり求められがちなのが、現代におけるこの国の社会の最悪の問題なのである。

人間は本質的に平等であるべき理想に照らし、では現実の格差をいかにして縮め、さらには解消していくのかという視座が伴わない限り、格差はとめどなく拡大されていく。

同時に階層が固定化され、下位の階層に位置づけられた家庭に生まれた者は、それだけで立ち直れない仕組みが築かれつつある。

            

――第3章 格差拡大がホープレス社会を招く

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■ 分断される日本|斎藤貴男|角川書店|2006 06月|ISBN/9784048839563

★★

《キャッチ・コピー》

安全、教育、生活…あらゆる領域で「格差」が拡大・固定化されつつある。街角に設置された監視カメラ、エリート養成学校開校などの事例から、日本社会が「分断」されてゆく現状に鋭く斬り込む。

「構造改革」の美名の下にもたらされた歪みは、この国をどう変えてゆくのか?暴走を始めた日本社会に警鐘を鳴らすルポ・評論集。

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