趙甲済/李英■ 李明博革命――保守主義が韓国を救う
2004年頃、清渓川の復元工事が進められていた当時のことであった。ソウル市長の李明博は「なぜ朴正殿大統領が高く評価されるのか」と自問して自らこんな答えを出した。
「朴大統領は高速道路建設、セマウル運動、重化学工業建設など、目に見えることをやり遂げました。したがって説明が必要ないのです。見ればわかりますから」
李明博は清渓川の復元工事でも、このような効果を期待していたのだろう。実際に2005年10月に清渓川が復元されて以降、ここを訪れた多くの人びとが李明博を高く評価するようになった。〔…〕
「清渓川復元工事の可否を決定する閣僚会議が開かれました。ある長官(閣僚)がこう言いました。
『私はタクシーによく乗るが、運転手たちによれば、清渓川の高架道路を取り壊す工事を始めたら、交通渋滞が深刻になって市民の反発が大きいという話だったよ』
すると、私は真顔で、その長官ではなく慮武鉉大統領の目を見つめながら話しました。
『私はもっとひどい話を聞いている。しかし、国の政策がタクシー運転手の噂によって決められねばならないのでしょうか』 そのとき、慮大統領が私の意見に味方してくれました」
――第5章 李明博は仕事の優先順位を知っている
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■ 李明博革命――保守主義が韓国を救う|趙甲済:著/李英:訳|作品社|2008年 03月|ISBN:9784861821868
★★☆☆☆
《キャッチ・コピー》
対北朝鮮「太陽政策」は継続されるか。対日政策はどのように変わるのか。金大中・盧武鉉と十年続いた親北朝鮮、民族主義偏重政策の転換を大胆に提議する韓国第一級のジャーナリストによる分析と展望。

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