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2008.08.19

橋本治■ 源氏供養(下)

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源氏物語の最終局面は、ヒロイン浮舟の拒絶です。

薫と匂宮の両方に愛された浮舟は、そのどちらかを選びかねて、遂に死を選ぶ。助けられた彼女は、改めて出家し、薫からの迎えを拒絶する(『夢浮橋』の巻)。

大長編の源氏物語は、最後、「彼は彼女を迎えに来た。しかし彼女は彼に応えなかった」

という、いともあっけない終わり方をしてしまうのです。

どうして浮舟は薫を拒んだんでしょう?

難しいようでいて、この答は、至って簡単です。

「その彼が、嫌な男だったから」なんですね。〔…〕

「真面目な男に恋は出来ない、恋が出来る男は不真面目だ。だから私は、この物語をやめる。貴女はそれでも恋をするか?」と言わぬばかりのエンディングです。

 源氏物語は、そういう「恋の物語」なんですね。

――「65 浮舟の拒絶」

*

*

■ 源氏供養(下)|橋本治|中央公論新社|ISBN9784122027596 199612月発売|文庫

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

光源氏という華やぎの陰で己れの生き方を模索する女達の物語。走り出す少女だった紫の上。さすらう女だった玉鬘。そして拒絶する女になるしかなかった浮舟。「源氏物語」と紫式部の謎をゆるやかに説き明かしたエッセイ。

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