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2008.08.07

キネマ旬報社:編■ 市川崑

20080807ichikawakon

市川――後半ね。シナリオの段階ではカットで次のシークエンスに転換するつもりだったんですけど、撮影しながら、これはフエイド・アウトにした方が説得力と、流れにリズムが出るんじゃないかと考え、編集のとき、そうしたんですがね。六遍くらい続けて。

淀川――最初、市川崑の卑怯と思ったのよ。うまいこと逃げよったな、と。けど、谷崎先生の本を1ページずつ読んでるような気になってくるのよ、あのフエイド・アウトは。

市川――淀川さん、うまいこと言うわ。そんなふうに見てくれるとうれしいなあ。〔…〕

淀川――そんなんで、フエイド・アウトもおもしろかったけど、ここで難しいのは音楽や。芦屋の匂いがしてる、当時のモダンな感じが出ている、そこへ琴では困るしね。ピアノのソロだったらいやらしいしね。えらいもんもってきたな。ラルゴのオペラ。クラシックで逃げたな。それがまた品格を出した。〔…〕

市川――僕のプランでは「細雪」は音楽の入れようがないんです。なくてもいいくらいなの。

淀川――風の音、雨の音なのよ。今日は風がきついね、みたいなことだから、音楽が邪魔になるのよ。

――市川崑・淀川長治「初めて映像化に成功した『細雪』の世界」

*

*

■ 市川崑|キネマ旬報社:編|キネマ旬報社|ISBN9784873766690 200806月|ムック

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

さまざまなジャンルの映画を手がけ、巧みな演出、光と影の映像美、シャープな編集、タイトルデザインなどで多くの映画ファンを魅了し、日本映画界に大きな足跡を残した監督。

市川監督の作家人生のすべてを振り返り、監督の残してくれた作品を再認識する。

memo

 1960年代の「おとうと」「太平洋ひとりぼっち」「東京オリンピック」……。

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