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2008.08.02

長谷邦夫■ 漫画に愛を叫んだ男たち

20080802nagatanimanga

平成4924日、寺田ヒロオの死が報じられた。

酒を飲み続け、食事をろくに摂らぬ生活を続けた末の衰弱死だ、と赤塚は言った。〔…〕

「うちの人の生活、どうしたらやめてくれるんでしょう。赤塚さん助けてくださいって言われたんだ。でも、おれに助けろと言われても、おれ自身が依存症だものなあ……」

返す言葉がなかった。

トキワ荘時代、赤塚が自信を失って漫画家をやめようと思い詰めていたとき、大金と励ましの言葉を贈ってくれた寺田である。商業主義の漫画雑誌界に絶望して、筆を折ったと言われた、その結果が酒に溺れての衰弱死とは……。

老いることの無惨さを自分にも突きつけられるようだ。

依存症か……。ぼくも、こうやってのこのことスタジオへやって来てしまうのは〈赤塚不二夫依存症〉なのかも知れない。

赤塚が事務所の奥のキッチンに置いてある大型の製氷機を掻きまわし、ダイヤアイスをグラスに入れ、焼酎とサワーをつぐ音が聞こえてくる。まだ昼の2時だ。ぼくはいたたまれなくなってスタジオを出て、新宿へ向かった。

――終章 手塚治虫の死、そして赤塚との訣別

*

*

■ 漫画に愛を叫んだ男たち|長谷邦夫|清流出版|ISBN9784860290757200405

★★★★☆

《キャッチ・コピー》

手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄、寺田ヒロオ……。漫画史のその名をとどろかせた「トキワ荘」アパートの住人たち。長谷邦夫と赤塚不二夫もこの中にいた。

その後、長谷は赤塚のブレーンとして、また、ある時はゴーストライターとして、陰になり、日向になり支え続けた。赤塚不二夫という天才漫画家の「光と影」を見事に描ききった秀作。

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