何清漣/中川友:訳■ 中国の嘘――恐るべきメディア・コントロールの実態
各種の法律の規定や厳格な検閲制度があっても、中国政府が望む「完全死守」の統制目標を達成することはできない。なぜなら、社会情勢は変化に満ちていて突発事件がしょっちゅう起きるからである。
なかには中国政府が事前に設定した掲載禁止の範囲に入らない、まったく新しい事態も登場してくる。そこで、中国政府もつねに「情勢の必要性に基づいて」、随時、各種の掲載禁止の規定を公布してきた。〔…〕
90年代後期に共産党が表明した「メディアの報道原則」はだいたい次のようにまとめることができるだろう。〔…〕
⑤ 重大な突発事件を勝手に騒ぎ立ててはならない。
天災・人災の報道は、公衆の怨みを募らせないよう、厳格な監督を受けなければならない。避けられない(つまり、隠しょうもない)状況下で報道する場合は統一的な内容にする。
政府組織による救援活動やそのなかで現れた心温まる出来事に報道の重点を置く。被災状況を大げさに騒ぎ立てたり、具体的な数字を挙げてはならない。関連する数字についてはすべて宣伝部門の審査を経た後に公表する。〔…〕
――第2章 報道メディアに対する政府の統制
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■ 中国の嘘――恐るべきメディア・コントロールの実態|何清漣/中川友:訳|扶桑社|ISBN:9784594048761 |2005年02月
★★★☆☆
《キャッチ・コピー》
中国は「真実」を発表すると逮捕される国であり、政府の発表はもちろん、国内外のマスコミ報道やインターネットまでが言論統制されている!
「中国現代化の落とし穴」で発禁処分を受けた著者が放つ衝撃の書。
《memo》
2008.08.08北京オリンピック開会。
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