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2008.09.17

立川談志/聞き手・吉川潮■ 人生、成り行き――談志一代記

20080917tatekawajinsei

談志 ……こういう社会を憂えるようなことを落語家が言うようになっちゃ、お終いですがネ、なにか世の中の常識に反すること、人間として恥ずかしいことを言ったらダメだと抑えつける社会になってるでしょ? 

ドロドロした人間の非常識な欲望を口にもできない社会だから、無理な歪が生じてグロテスクな事件が続発するんじゃないですか。

――ポリティカリー・コレクトというんですか、正しいことしか言ってはいけない社会になったアメリカでひどい犯罪が多発するのと同じことですよね。〔…〕

談志 勿論、娘さんを理不尽にもよその国家に攫われた親御さんの気持ちはいかばかりかと思います。

けれどそれと、「あの両親はいいな、生きがいを与えられて、テレビに一杯でて有名になれて、アメリカの大統領にも会えて‥…、なんだあの野郎、拉致太りじゃねえか」という、人間として一番最低の声を圧し殺すのは別問題です。

こういう非常識な発言が聞けるのが、昔は寄席だったんです。テレビじゃ無理でしょ、そうするとこういう人間の感情の噴き出し口がなくなっちゃう。

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■ 人生、成り行き――談志一代記|立川談志/聞き手・吉川潮 |新潮社 |ISBN9784103069416 200805

★★★★☆

《キャッチ・コピー》

「百年に一人」と賞される現代落語界の至宝、立川談志はその挿話と騒動の多彩さもまた国宝級である。戦時中の少年時代から真打昇進をめぐるごたごた、鳴り物入りの政界進出、落語協会脱退と立川流創設の裏話、そして芸談と私生活まで。言い遺しておきたいことのすべて。

立川談志/落語立川流■ 談志が死んだ――立川流はだれが継ぐ

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