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2008.09.08

古今亭八朝/岡本和明■ 内儀さんだけはしくじるな――目白・柏木・黒門町

20080908kokonkamisan

二三蔵 あの時、内弟子は私一人だったんですよ。で、何時も通りにお風呂、玄関、便所……部屋の掃除を全部した後、オマンマってことになった。でも、その日は糠みその中に大根の葉っぱがなくて、小さなキュウリしかなかった。

それじゃあ、こいつをおかずに朝飯を食べようと思って、味噌汁を作り、キュウリをトントンって刻んでたら、お内儀さんが便所へ行くために二階から降りてきて、ふっと台所を見たんだね。

そうしたら私がキュウリを刻んでる。その瞬間、パンパンつて引っぱたかれて、荷物を全部放り出され、

「出ていけっ。キュウリを食う身分かっ」

もう、すごい剣幕なんだから。私はまだキュウリを食ってないんですよ (笑)。〔…〕

 そうしたら師匠が二階からピーというブザーの音ですよ。で、二階へ上がって行くと師匠は穏やか、大人しいの。〔…〕

「そこへ座んなさい。今、何時だと思ってる。……朝の六時半から小言を言われているような不吉な弟子がいると、私の芸にさわるから、お願いだから出ていってくれ」(爆笑)

――黒門町-八代目桂文楽一門 並河寿江

(語り手)桂文楽/柳亭左楽/柳家小満ん/橘家二三蔵

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■ 内儀さんだけはしくじるな――目白・柏木・黒門町|古今亭八朝/岡本和明|文藝春秋|ISBN9784163704005 200807

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

師匠をしくじれば破門、内儀さんをしくじれば破滅。

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