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2008.09.29

瀬川正仁■ 老いて男はアジアをめざす――熟年日本人男性タイ・カンボジア移住事情

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峰村さんはちょうど今年でロングステイ生活3年になる。

飲み仲間もでき、タイの暮らしもすっかり板についたが、ゴルフ、女遊び、旅行、何をやっても高揚感はなくなったという。〔…〕

かといって新しい趣味も今さら見つからない。まだまだ現役で働く自信はある。時々、仕事をしてみようかいう気持ちにもなるのだが、高齢者が取得するリタイアメントビザの場合、仕事をすることは禁じられている。〔…〕

そんな悩みを抱える峰村さんだが、日本に帰るという選択肢だけはまったく思い浮かばないという。

日本ではこんな老人、誰も相手にしてくれへんからね。友達はぎょうさんおるけど、爺さん同士で会っても、酒を飲んでくだを巻くのがおちで、他にすることもあらへんし、身体に悪いだけやろ。

何の未来も描けへん。日本で今さら結婚相手を探すのはしんどいし、恋愛ごっこはなお難しいしね。ここではセックスをしなくても、若い女性たちと会話のキャッチボールを楽しんでいるだけでも元気が出ますわ」

峰村さんはそう言った。

タイは必ずしも天国ではない。しかし、日本に帰ったら夢さえも描けない。高齢者の本音を聞いたような気がした。

*

*

■ 老いて男はアジアをめざす――熟年日本人男性タイ・カンボジア移住事情|瀬川正仁 |バジリコ |ISBN9784862380999 200808

★★★★☆

《キャッチ・コピー》

人生の終盤の時期を、日本から離れ、タイ、カンボジアなど東南アジアの国で生きることを選ぶ高齢者たちが増えている。物価の安さ、気候の温暖さ、ホスピタリティに加え、こと男性たちにとって大きいのは「若い女性との出会い」である。

夜な夜な「出会い系カフェ」でその日の相手を探す人、娘のような年齢の愛人と暮らす人、真剣に結婚相手を求める人。全財産はおろか年金もすべて貢いだあげく捨てられる男性もいれば、幸福な家庭生活をいとなむ男性もいる。高齢男性にとって、タイははたして楽園なのか、それとも…。タイ、カンボジアで暮らす日本人男性たちの、悲喜こもごもの世界を描くノンフィクション。

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