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2008.09.01

団鬼六■ 我、老いてなお快楽を求めん――鬼六流駒奇談

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私が透析だけは絶対にすすめないで頂きたい、こちらは死ぬ覚悟は出来ているんですから、と前もって断っておくと、にこやかに「わかりました」とE院長はうなずくのである。

「最近はそういう患者さんが多いんですよ。透析するくらいなら死んだ方がましだと透析専門病院に来てそんなことをいい出す患者さんがいて、困ったものだと恩うんですが、私はそれはそれでいいと思います。

病院て所は生かすだけでは駄目です。死にたい患者に対する協力も必要です

という院長の言葉に私は感銘した。この60代半ばの院長の言葉には説得力があるのだ。

「ところであなたの身体ですが、今、レントゲンなどで調べたところ、腎臓は完全に死んでますが、肝臓、胃、肺などは生き生きと働いている。まだあなたを仏様にしたくないと必死に頑張っているんですね」〔…〕

そして、E院長は、

「あなたが尿毒素に冒されて死ぬのは720日か21日くらいでしょう」

と、私の死期までいい出した。

*

*

■ 我、老いてなお快楽を求めん――鬼六流駒奇談|団鬼六 |講談社 |ISBN9784062692748 200804

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

重い腎臓病で死を覚悟した鬼六先生が、拒否から一転、人工透析を受けた途端に奇跡の復活。透析に通う病院で繰り広げる騒動を書き下ろした「生還した瘋癲老人」ほか、SM小説の第一人者が「将棋」や「性」にまつわる人々を愛情深く描いてきた珠玉エッセイを満載。

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