西江雅之■ 「ことば」の課外授業――“ハダシの学者”の言語学1週間
「変えようとしなくても変わる」、これがことばというものなんです。
時代の流れの中で、いくつかの単語は全然違う意味になってしまったりする。ある場合は、その意味が使い古されて消えてしまったり、ある場合はあまりよく使われるので意味がズレたり、反対の意味になってしまったりする。〔…〕
「おそろしくおいしい」と今は普通に言いますが、ちょっと前の時代だったらこれは成り立ちません。「おそろしくかわいい」などというのもそうです。
こういう例をいくつも挙げて、「この用法は間違ってるじゃないか」としたり顔に指摘する人をよく見かけますが、わたしの観点から言えば、これは間違っているのではなく、多くの場合は、時代の流れの中でそういう用法へと変わってきているということです。
世の中変わるんです。特に形容詞の一部などという町は、わずかの年月の間に、まったく逆の意味になることさえあります。強調語というのは、強めるからこそ逆の意味になりやすいんですね。
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■ 「ことば」の課外授業――“ハダシの学者”の言語学1週間|西江雅之 |洋泉社 |ISBN:9784896917192 |2003年04月|新書
★★★☆☆
《キャッチ・コピー》
「人はことばではコミュニケーションできない」という意外な話。「単語の数が少ないと文化も貧しい」という思い込みを論破する―。数十言語を自在にあやつる破格の天才言語学者が初めて語り下ろした平易かつ高度、専門用語一切なしの、目からウロコの言語学講義。
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