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2008.11.02

堀江敏幸■ アイロンと朝の詩人――回送電車3

20081102horieiron

それにしても、手帳は書き込むだけが目的ではないらしい。〔…〕

日野原重明『生きかた上手手帳』(ユーリーグ)は、まず帯に説得される。「また1年、あなたに与えられたいのちの時間です」。

輝かしき365日。体重、体温、血圧を記す欄もある健康手帳だが、12月の最後に掲げられたことばが重い。

「死は、拒んだり否定したところで必ずやってきます」。私たちは毎年、死に向かって予定を立てるのだ。

とりあえず死なないために、まずは便通をよくしておこう。

『ウンココロ手帖』(実業之日本社)は、よい便を出すために必要なよい心と体の維持を手助けする、絵日記ふうのウンコ記録帳だ。爽快度の分類がすばらしい。

5段階評価で3が「まあまあスッキリ」、2が「微妙に不快」。23のあいだのコメント例は、「何事もなく出た。特に爽快ではないが、気分は良い」。

――「いのちの時間、お通じ、ご利益」

*

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■ アイロンと朝の詩人――回送電車3|堀江敏幸 |中央公論新社 |ISBN9784120038662 200709

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

ぐいぐいゆっくり49篇、言葉の滞空時間。

堀江敏幸■ 回送電車

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