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2008.11.12

外山滋比古■ 忘却の力――創造の再発見

20081112toyamaboukyaku

ものを覚えるのは、そのつもりになれば、覚えられるけれども、忘れるのはそう簡単に忘れられないから厄介である。しかしそれでも忘却をしないと頭が混乱し、ものが考えられなくなる。

いかにして上手に忘れるかは情報化時代にとって必須の能力であるとしてよい。

ただ知識の多いことを喜んで、適切な忘却をなおざりにしていると、なんでも知っているバカ、知的メタボリック症候群にやられてしまう。効率的忘却は、きわめて現代的課題である。〔…〕

ものを覚え、時に応じてそれを利用する情報処理にかけて人間はとてもコンピューターにかなわない。

ただ、コンピューターには泣きどころがある。人間のような選択的忘却ということが出来ない。

ここでは人間はコンピューターに勝つことができる。そう考えると、忘却は記憶以上に人間にとって大切なはたらきであることが納得される。

――「忘却」

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■ 忘却の力――創造の再発見|外山滋比古 |みすず書房 |ISBN9784622073994 200807

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

現代の人間にとって、記憶以上に大切なものは忘却である。コンピューターにはまちがっても選択的忘却という芸当はできない。知的肥満をおさえ、頭のはたらきをよくする50のヒント。

memo

「詩は静詮のうちに回想された情緒である」(ワーズワース)。感動もナマのままでは感動的ではない。時が醇乎たる情緒をつくり上げる。心に沁みるのは秋色である。しみじみと感じるのは老年の特技かもしれない(本書「しみじみ」)

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