三宅一郎■ 桂よ。わが愛その死
病院で桂の亡骸と対面したとき、私の心の奥底に浮かんだのは、「桂よ、そんなに楽になりたかったのか」という思いだった。〔…〕
9月23日に入院し、27日に死亡するまでの間に桂が書いたと思われる書面が見つかった。主治医であるⅠ医師に向けて書かれたものである。
「助けて下さってありがとうございます。あのままいけば、私はほんと死んでました。〔…〕
さて、ほんとは、もっとごやっかいになるべきなのですが、この病院で、時間がたつのがあまりに遅いのに耐えられません。家に帰ってケーキを制作したり、料理を作ったり、人としゃべったり、絵を描いたりしたいです。生きる意欲がわいてきました。〔…〕
くすりは2人から受けとってすぐのみます。夜の間に自殺したりはできません。第一、私はもう自殺する人ではありません」
また、9月22日の自殺未遂事件の実行前、死んでいくと思い込んでいた桂は、日記の中に“トト、ごめんね”と大きな文字で書いていた。桂は自分の死が私にとってどんなことであるのか知っていたのだ。
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■ 桂よ。わが愛その死|三宅一郎 |海竜社|ISBN:9784759308884 |2005年09月
★★★☆☆
《キャッチ・コピー》
満面の笑みの中の哀しい眼。すべては、一枚の写真から始まった。私はこの人を一生守ろうと心を決めた。だが、守りきれなかった…。無垢な心で生きた作家・森村桂。その人生をあたたかく包んだ男の、一途でまっすぐな愛の記録。
《memo》
森村桂の夫が綴る。ファンにとって読み難い1冊。
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