« 紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻9 | トップページ | 森谷明子■ 千年の黙――異本源氏物語 »

2008.12.14

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻10

20081214setouti10

その日もおふたりして見苦しいまでに遊び戯れてお暮しになります。こっそり京へ連れて帰って、どこかへ隠しておきたいことを、繰り返し繰り返しお話しになります。

「それまでに、薫の君が来ても、あの人に身を任せたら許さないよ」

 と、大変な難しいことなどを誓わせようとなさいますので、

そんな無理なことをと思って、浮舟の君はお返事も出来ず、涙まであふれるいじらしい様子に、こうして自分の目の前にいてさえ、薫の君からわたしのほうへ心は移らないのだと、匂宮は切なさに胸が痛くなられるのでした。

恨んだり、泣いたりして、いろいろふたりの愛の行く末のことについて語り、かぎりなく愛し合って夜を明かし、まだあたりの暗いうちに、浮舟の君を連れて、山荘へお帰りになりました。

――「浮舟」

*

*

■ 源氏物語――巻10|紫式部/瀬戸内寂聴 |講談社 |ISBN9784062758697 200710月|文庫

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

浮舟/蜻蛉/手習/夢浮橋

memo

夜も昼もなくとめどない愛戯の痴態に、女はもう、男の言うままに、どんな要求にも応じている。浮舟にとっては、はじめて知った官能の悦楽であった。しかしその喜びには苦い暗い罪の影が伴っていたが、浮舟はこの二日間は、薫への罪の意識も忘れはてていた。〔…〕やがて匂宮の使いと薫の使いが宇治で鉢合わせをして、情事の秘密は薫にばれてしまう。(源氏のしおり・浮舟)

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻1

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻2

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻3

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻4

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻5

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻6

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻7

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻8

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻9

|

« 紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻9 | トップページ | 森谷明子■ 千年の黙――異本源氏物語 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻9 | トップページ | 森谷明子■ 千年の黙――異本源氏物語 »