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2008.12.07

紫式部/瀬戸内寂聴■ 源氏物語――巻3

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けれども、どうしていつまでも、そんな状態でいられましょう。

とうとう部屋に押し入り逢ってみると、この娘の様子は、いかにも気品が高く、背もすらりとしていて、こちらが気恥ずかしくなるような奥ゆかしい風情なのでした。

こうまでして無理にも結ばれた深い線をお考えになるにつけても、源氏の君は、ひとしお娘をいとしくお思いになるのでした。お逢いになられてから、ご情愛もいっそう深まるのでしょう。

いつもなら飽き飽きして恨めしく思われる秋の夜の長さも、今朝ばかりは早々と明けたような気がします。人に知られまいとお気遣いなさいますのも、気ぜわしくて、おやさしく心をこめたお言葉を残してお帰りになりました。

後朝のお手紙が、たいそう人目を忍んでこっそりと、今日は届けられました。

――「明石」

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■ 源氏物語――巻3|紫式部/瀬戸内寂聴 |講談社 |ISBN9784062756754 200703月|文庫

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

須磨/明石/澪標/蓬生/関屋/絵合/松風

memo

明石の姫はたいそう気位が高く、自分が田舎育ちなので源氏の気に入る筈はないと思い、かたくななまでに心を開かない。それでも、入道の取りなしもあり、やがてふたりは結ばれる。〔…〕源氏は次第に明石の姫の魅力にひかれ愛情は深くなっていく。明石の姫はやがて源氏の子を妊る。(源氏のしおり・明石)

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