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2008.12.23

倉田実:編■ 現代文化と源氏物語

20081223genndaibunnka

「光源氏計画」という言葉がオタク文化圏で流通している。

少女を思い通りに育成し恋人や妻にする「計画」をいう。もちろん命名の起源は光源氏と若紫との関係にある。〔…〕

興味深いのは、一般的な美的王朝幻想は捨象され、性的幻想においても、きわめて局所的な要素に限定されていることである。「光源氏」の名が冠されてはいるが、『源氏物語』の全体的把握が目指されているわけではない。〔…〕

「光源氏計画」は「少女育成」幻想を形にしたさまざまな表象を統括するラベルとして流通しており、育成ゲームやコミック、あるいは現実の出来事や性的幻想を語る語彙として、ウェブや同人誌などで飛び交っている。〔…〕

オタク文化圏の解釈共同体にとって、ロリコンとして認知された光源氏は、「少女育成願望」を実現した先駆者として、憧れの対象になっている、と言うことができる。

――立石和弘「『源氏物語』関連出版と解釈共同体」

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■ 現代文化と源氏物語――講座源氏物語研究(第9巻)|倉田実:編集 |おうふう |ISBN9784273034597 200710

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

現代文化の中に『源氏物語』がどのように立ち現れて、再生産されているか。また、現代が『源氏物語』をどのように捉え直し、新たな領野を切り開いているか。本巻は、現代文化という視点から、『源氏物語』の現在を問う試みである。

立石和弘■ 男が女を盗む話 ――紫の上は「幸せ」だったのか

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