« 小原誠■ 探偵裏物語 | トップページ | 田中達治■ どすこい出版流通 »

2008.12.01

佐野真一■ 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史

20081201sanookinawa

1953(昭和28)年12月、奄美諸島は沖縄に先駆けて本土復帰を果たした。それから本格的な奄美差別がはじまった、と奥はいう。〔…〕

問題は、彼らに対する沖縄人の露骨な差別と非人間的な扱いだった。この事実はほとんど知られていない。というより、沖縄の戦後史の暗部として、なかったことになっている。〔…〕

本土復帰で“日本人”になった、正確にいえば“非琉球人”になった奄美人には、“外人登録”が義務づけられた。

奄美の復帰から4日後の19531229日、USCAR(琉球列島米国民政府)は指令第15号として、「奄美大島に戸籍を有する者の臨時登録」令を発令した。

奄美大島の日本復帰に伴い、奄美大島に戸籍を有する琉球列島在住者(以下奄美人という)はすべて、195421日以前に同日以降90日間の効力を持つ臨時外人登録証の発行を受けなければならない。〔…〕

これを皮切りに、USCARは奄美人の基本的人権を剥奪する指令を次々と出した。

公職からの追放、参政権の剥奪、土地所有権の剥奪、公務員試験受験資格の剥奪、国費留学受験資格の剥奪、融資の制限……。

その一方で、税金だけは琉球人並みに徴収された。すなわち、権利の剥奪に関しては非琉球人として扱われ、義務の負担に関しては琉球人と同列に扱われた。

――「空白の琉球弧――奄美群島」

*

*

■ 沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史|佐野真一 |集英社インターナショナル|ISBN9784797671858 200809

★★★★☆

《キャッチ・コピー》

沖縄の戦後60余年を作ってきた群雄たちを活写して、天皇と沖縄の微妙な関係、沖縄の戦後史に残る政治家、独立の夢に賭けた男たち、沖縄が現在抱える問題と将来の問題…。戦後日本を逆照射するルポルタージュ。

佐野真一■ この国の品質

佐野真一■ 甘粕正彦 乱心の曠野

佐野眞一■ 響きと怒り――事件の風景・事故の死角

佐野眞一■小泉純一郎ー血脈の王朝

|

« 小原誠■ 探偵裏物語 | トップページ | 田中達治■ どすこい出版流通 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 小原誠■ 探偵裏物語 | トップページ | 田中達治■ どすこい出版流通 »