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2008.12.25

河合隼雄■ 紫マンダラ――源氏物語の構図

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紫式部という女性が、自分の内界に住む多くの分身を語りつつ、全体として一人の女性存在を表そうとするとき、その中心に、言わば無人格的な光源氏という男性を据えることにしたと考えられる。

それを、これまで述べてきたことをまとめる形で、妻、母、娼、娘という4分割の円上に配してみると、図14ようになるであろう。〔…〕

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源氏がこれらの女性を順次に訪ねていったり、それぞれの女性の性格について述べたり、時には比較までするところは、この全体をひとつのマンダラとして観じ、そのなかのダイナミズムを紫式部が味わっているようにも感じられる。〔…〕

紫の上は出家の願いを口に出すが、源氏は最後まで許すことができず、紫の上の死後、夕霧に命じて落飾させるのがやっとであった。

ここに男性との絆を切って一人で生きようとする女性と、女性なしには生きておれない男性の姿が明瞭に示されている。

女性マンダラの世界をすべてにわたって経験して生きた紫の上に、作者の紫式部は強い同一視を行っていたのは当然である。

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■ 紫マンダラ――源氏物語の構図|河合隼雄 |小学館 |ISBN9784093860574 200007

★★★☆☆

《キャッチ・コピー》

「源氏物語」の女性たちは、すべて紫式部の分身だった。さまざまの女性像を描くために、紫式部は光源氏という男性像を中心に据えて、彼をめぐるみごとな女性マンダラを展開した。新しい女性の生き方として「源氏物語」を読む。

三田村雅子/河添房江/松井健児:編■ 源氏物語いま語り

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