« 柴田よしき■ 小袖日記 | トップページ | 京都新聞出版センター/村井康彦■ 平安京と王朝びと――源氏物語の雅び »

2008.12.17

渋谷栄一■ 源氏物語を楽しむ本

20081217shibuyagenji

源氏→藤壺

見てもまた逢ふ夜まれなる夢のうちに

やがて紛るる我身ともがな

訳:お逢いしても再び逢うことの難しい夢のようなこの世なので、夢の中にそのまま消えてしまいとうございます

藤壺→源氏

世語りに人や伝へむ類(たぐひ)なく

うき身を醒めぬ夢になしても

訳:世間の語り草として語り伝えるのではないでしょうか。この上なく辛い身の上を覚めることのない夢の中のことだとしても

藤壺の女房の手引きで、再び逢瀬を実現した源氏は、つらい胸の内を詠みます。「とても現実とは思えない、このまま夢に消えてしまいたい……」。

一度の過ちで終わらせたいと思っていた藤壷ですが、涙にむせぶ源氏の様子を見て、気の毒に思いながら、「覚めることのない夢だったとしても、後の世に語りつがれることでしょう」と思い悩むほかありません。

ちなみに、高貴な男女にとって「見る」はまさに「契る」を意味しています。

――「歌にみる男女関係」

*

*

■ 源氏物語を楽しむ本|渋谷栄一 |主婦と生活社|ISBN9784391136302 200807

★★★★☆

《キャッチ・コピー》

「千年」の時を超えて、いまも輝き続ける源氏物語の魅力をあますところなく紹介。

memo

初歩的ガイドブックとして適切。第1章 源氏物語を読む/第2章 恋する源氏物語(恋多き主人公・光源氏の恋愛年表/光源氏を魅了した女たちの肖像/源氏物語で語られる男たちの恋模様)/第3章 旅する源氏物語

『源氏物語大辞典』編集委員会■ 源氏物語入門

伊井春樹■ 源氏物語を読み解く100

丸谷才一/三浦雅士/鹿島茂 ■ 千年紀のベスト100作品を選ぶ

|

« 柴田よしき■ 小袖日記 | トップページ | 京都新聞出版センター/村井康彦■ 平安京と王朝びと――源氏物語の雅び »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 柴田よしき■ 小袖日記 | トップページ | 京都新聞出版センター/村井康彦■ 平安京と王朝びと――源氏物語の雅び »