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2009.01.03

原武史◆昭和天皇

20090103harasyowa

天皇と高松宮との確執もまた、ますます激化した。〔…〕

[452]天皇は重臣から意見を聞く機会をようやく設けた。〔…〕

近衛の主張は、高松宮と一致していた。「モウ一度戦果ヲ挙ゲテカヲデナイト中々話ハ難シイト思フ」と述べた天皇に対して、近衛は、「ソウ云フ戦果ガ挙ガレバ誠ニ結構卜思ハレマスガ、ソウ云フ時期ガ御座イマセウカ」と答えた(前掲『木戸幸一関係文書』)。〔…〕

そのころ沖縄では、激しい地上戦が繰り広げられていた。[45]41日から沖縄本島への米軍上陸が始まり、7日に小磯内閣に代わり鈴木貫太郎内閣が成立しても、天皇の戦争継続の意思は揺るがなかった。

天皇は、たとえ沖縄戦に敗れても、「唯一縷の望みは、『ビルマ』作戦と呼応して、雲南を叩けば、英米に対して、相当打撃を与へ得るのではないか」(前掲『昭和天皇独白録』)と考えていたようである。

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◆昭和天皇|原武史 |岩波書店 |ISBN9784004311119 200801月|新書

★★★★

《キャッチ・コピー》

新嘗祭、神武天皇祭など頻繁に行われる宮中祭祀に熱心に出席、「神」への祈りを重ねた昭和天皇。従来ほとんど直視されなかった聖域での儀礼とその意味に、各種史料によって光を当て、皇族間の確執をも視野に入れつつ、その生涯を描き直す。第12回司馬遼太郎賞。

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