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2009.03.19

山田風太郎/日下三蔵◆風山房風呂焚き唄――山田風太郎エッセイ集成

20090319yamadahuuzanbou

「一口剣」や「五重塔」などは、いくら何でも古めかしく感じられるけれど、「運命」「幻談」「雪たたき」などを読むと、露伴という人は、神か魔かと思う。しかも「幻談」に至っては口述筆記であったと知ると、うならざるを得ない。

その露伴随筆をひもとくと、やはり神魔のすさびとしか思われない。また一面、露伴が伝染して、「大牢の滋味」なんて難しい言葉が浮かんでくる。

滋味はあるが、しかしときどき、なぜかドキリとさせるような人間洞察の語がまじる。〔…〕

ところで、現代露伴を読む人はそうたくさんはあるまい。いや、読める人がいないのである。そこで、私のような娯楽作家ですら嘆息して感あり。

作品は歳月の間に淘汰されて、いいものだけが残るというのは真実ではない。

淘汰されて悪貨ばかり残るのは、作品だけではなく、読者もまた然りなのである。

――『露伴随筆』

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◆風山房風呂焚き唄――山田風太郎エッセイ集成|山田風太郎/日下三蔵 |筑摩書房 |ISBN9784480814944 200812

★★★

《キャッチ・コピー》

執筆上のうっかり話、明治の文学者の貧乏ぶりから死刑執行方法、はては「一握の牌」という歌つくりまで妄想はばたく長編エッセイ(表題作)をはじめ、旅、食べ物、読書をテーマにした垂涎のエッセイ群。

memo

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