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2009.03.05

加藤秀俊◆続・隠居学

20090305kathozokuinkyo

とりわけ現役の職業人であったころの颯爽たるおのれのすがたを回顧すると、どうも毎日がおもしろくない。むかしは俺だって……といってみてもどうなるものではなし、そんなことを口にすればするだけミジメになる。〔…〕

会話の相手も奥方だけ。話題もない。まことにつまらない。模範的サラリーマン諸氏が隠居生活にはいってまもなく索漠たる感情におそわれるのもゆえなしとしない。

と、ここまでかいてかんがえた。いま「ひきこもり」をニート諸君の専売特許とかんがえてしまうが、それは錯覚であって、そもそも「隠居」というのは読んで字のごとく「ひきこもり」そのものなのではあるまいか。

こっちのほうが本家本元。「ひきこもって」いるのが常態なのである。べつだん恥でもなんでもない。〔…〕

隠居は堂々と「ひきこもり」をきめこんでネコのヒゲでもいじくつていたらよろしい。ネコには迷惑でもご近所の迷惑にならない。

続・隠居学|加藤秀俊 |講談社 |ISBN9784062692663 200702

★★★

《キャッチ・コピー》

おもしろそうなことにはなんでも鼻をつっこんでみる。はっきりいって、わたしの本質はこういう知的野次馬。まあ時と場合によっては「専門家」に扮装するくらいの芸はあるけど、それは世を忍ぶ仮のすがた。

加藤秀俊◆隠居学――おもしろくてたまらないヒマつぶし

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