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2009.03.01

内田樹◆昭和のエートス

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日本という国名は「日の本」とはすなわち「昇る朝日の下にある地」を意味する。〔…〕

それが意味することは理科の基礎知識があればわかる。日本列島に昇る太陽を「朝日」として認識できるのは日本より西の地方の人だけだからである。

「日本」というのは「大陸から見た東方」を意味する国名なのである。

国名の構造はベトナムと同じである。ベトナムは「越南」と書く。越は春秋戦国時代の中国最南の国である。

もし、アメリカが「カナダ南」とか「メキシコ北」と自称したら私たちはその主体性のなさを笑うだろう。けれども、そのとき私たちは自国がそれと同じタイプの名乗り方をしていることに気がついていないか、気がついているが気がついていないふりをしている。

自分を主体としてまず立てることをせず、「主体である他者」からどの方位に見えるかをおのれのアイデンティティの基礎づけとしているという当の事実に気づかずにいられること。

それがおそらく「属国人」の際だった特徴なのである。

――「日本属国論」

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◆昭和のエートス|内田樹 |バジリコ|ISBN9784862381187 200812

★★★

《キャッチ・コピー》

歴史の進歩と、科学への信頼と、民主主義の全能への夢が、リアリティを持った時代―いまの時代で失われてしまった“昭和的なるもの”への痛切なオマージュ。反時代的心象に彩られた、極上のエッセイ集。

内田樹◆街場の教育論

内田樹■ 街場の現代思想

内田樹■ 街場の中国論

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