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2009.03.03

水村美苗◆日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で

20090303mizumuranihongo

〈学問の言葉〉が英語という〈普遍語〉に一極化されつつある事実は、すでに多くの人が指摘していることである。〔…〕

〈学問の言葉〉が〈普遍語〉になるとは、優れた学者であればあるほど、自分の〈国語〉で〈テキスト〉たりうるものを書こうとはしなくなるのを意味するが、そのような動きは、〈学問〉の世界にとどまりうるものではないのである。〔…〕

そして、いうまでもなく、〈テキスト〉の最たるものは文学である。〔…〕

くり返すが、広い意味での文学が終わることはありえない。

だが、英語が〈普遍語〉になったことによって、英語以外の〈国語〉は「文学の終わり」を迎える可能性がほんとうにでてきたのである。

すなわち、〈叡智を求める人〉が〈国語〉で書かれた〈テキスト〉を真剣に読まなくなる可能性がでてきたのである。それは、〈国語〉そのものが、まさに〈現地語〉に成り果てる可能性がでてきたということにはかならない。

〈国民文学〉が〈現地語〉文学に成り果てる可能性がでてきたということにはかならない。

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◆日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で|水村美苗 |筑摩書房 |ISBN9784480814968 200811

★★★★

《キャッチ・コピー》

「西洋の衝撃」を全身に浴び、豊かな近代文学を生み出した日本語が、いま「英語の世紀」の中で「亡びる」とはどういうことか?日本語と英語をめぐる認識を深く揺り動かし、はるかな時空の眺望のもとに鍛えなおそうとする書き下ろし問題作が出現した。

山口仲美■ 日本語の歴史

浅利慶太■ 時の光の中で――劇団四季主宰者の戦後史

萩野貞樹■ 旧かなづかひで書く日本語

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