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2009.04.13

佐野洋◆ミステリ-との半世紀

20090413sanomistery

当時の『宝石』では、一々の作品について、冒頭に乱歩さんの感想がつけられていた。〔…〕

「天にも昇る気持」という表現があるが、これら乱歩さんの感想を読んだときの私は、まさにそんな気持になっていた。

何しろ大乱歩が、これだけ褒めてくれたのである。推理作家(あるいはそれを目指す者)にとって、こんな嬉しいことはないとも言えるだろう。

ところが……。

当時、『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン(日本版)』の編集長をしていた都筑道夫さんが、後日打ち明けてくれたところによると、

「『宝石』にRの署名で感想を発表しているのは、作家の江戸川乱歩ではなく、編集者の江戸川乱歩だ」という皮肉めいた冗談が、評論家たちの間でささやかれていたという。〔…〕

乱歩さんが「編集責任者」である以上、その雑誌に採用した小説に、幸い点をつけるわけにはいかない理屈である。

*

◆ミステリ-との半世紀|佐野洋 |小学館 |ISBN9784093878265 200902

★★★★

《キャッチ・コピー》

著者は1958年に「銅婚式」を発表し、作家としての人生を歩む。それからの50年、日本ミステリー界の黎明期を著者の日記から読み起こす。著者しか知らない事実もあり、貴重なミステリーの時代史となっている。

memo

1950年代、佐野洋、日野啓三、菊村到、大岡信、三好徹……、みんな読売新聞に在籍していた。

佐野洋■推理日記PART9

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