« 和田昌親◆逆さまの地球儀――複眼思考の旅 | トップページ | 宮城谷昌光◆他者が他者であること »

2009.04.15

三浦俊幸/川口澄子◆七十二候美味禮讚

20090415miurakawaguti

は、古くから日本人に愛されてきた植物です。〔…〕

まず、平安京の内裏にある「右近の橘」はあまりにも有名。『万葉集』では萩や梅に並ぶほど数多く歌に詠まれ、橘に由来する苗字や家紋は多数あります。ほかの柑橘類と比べて特別なものであることは間違いありません。

梅雨のころ、五片の白い花を咲かせます。風の凪いだ初夏の午後、橘の樹の前に立っていると花の匂いにあてられます。

その匂いは気高く澄みきっていながらも、どこかしら重く、心にのしかかってくる。

すがすがしいのになぜか切なさを覚えるのです。いにしえの歌人らが、橘に懐旧の情を見いだした気持ちがわかるような気がします。

それならば、橘を味わいつつ万葉の時代に思いをはせたいところですが、残念なことに酸が強すぎて生食には向きません。

――「橘と柚子」

*

◆七十二候美味禮讚|三浦俊幸/川口澄子|小学館|ISBN9784093877756200812

★★★★

《キャッチ・コピー》

本書には、食べること、美味しいもの、美味しいものを味わう雰囲気への思慕が詰まっています。食いしん坊の料理人と画工の歳時記。

|

« 和田昌親◆逆さまの地球儀――複眼思考の旅 | トップページ | 宮城谷昌光◆他者が他者であること »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 和田昌親◆逆さまの地球儀――複眼思考の旅 | トップページ | 宮城谷昌光◆他者が他者であること »