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2009.05.03

池澤夏樹◆雷神帖――エッセー集成2

20090503ikezawaraijin

日本のノンフィクションは取材や調査に基づく内容を文学的に語るが、しかしめったに国境を越えない。国境を越えた人々が書くものには政治への関心があまりない。〔…〕

ぼくは、なぜ自分は日本から候補作を出せなかったのだろうと考えていた。非力で目配りが足りなかったということはある。最適の作品を見逃したかもしれない。しかし、やはりこの分野で優れた本は少ないのだ。

その背後には、先に書いたように、外の世界についてわれわれが無関心だという事実がある。世界は激動しているのに、日本の中にいると無風のまま沼地に沈んでゆくような無力感がある。外に出るという姿勢において日本のジャーナリストや作家は自衛隊にさえ負けている。

出てはいけない面々が出て、出るべき人々が動かない。

――「ユリシーズ賞選考記」

◆雷神帖――エッセー集成2|池澤夏樹|みすず書房|ISBN9784622073727200811

★★★

《キャッチ・コピー》

文字の持つ呪術性の回復、映画と本と田舎暮らしなど、本をめぐる今日的な省察から岡本太郎の異文化に向かう姿勢への批判まで。たんに文学の領域にとどまらず、広く現在の文化や政治にかかわる問題にまで踏み込んだエッセー集。

池澤夏樹◆風神帖――エッセー集成1

池澤夏樹/本橋成一■ イラクの小さな橋を渡って

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