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2009.05.25

池内紀◆異国を楽しむ

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やがてハタと気がつく。海外旅行は異国へ旅するのではなくて、自分が一人の異人になることらしいのだ。

自分にまつわるもろもろ、いっさいが無効になる。いまや地位や肩書はおろか存在すらも怪しい人間であって、外務大臣に保証のハンコを捺してもらわなくては、どこであれ通用しない。存在すら認めてもらえない。〔…〕

ともあれ、ときおり異人になってみるのも悪いことではないかもしれない。異国を知る以上に、もっとべつのことに気がつく。

たとえばの話が、そもそもカタコトの外国語が通じただけで、どうしてこうも相手とわかり合った気持がするのだろう。その瞬間、恐い人種のように思っていた外国人が、ゴホービをもらった子供のような顔をしたではないか。

異国を楽しむと同時に、異人としての自分を楽しむ。

*

◆異国を楽しむ|池内紀|中央公論新社|ISBN9784121018854200702月|新書

★★★★

《キャッチ・コピー》

言葉の壁に突き当たり、知らない食べ物に変調をきたし、ホテルのバスルームでため息をつく。けれど、ままならない瞬間にこそ、異国の醍醐味がある。著者ならではの旅の記憶が詰まった、異国のススメ。

memo

旅を誘う本、第1位。しかし今年は、空港チェックで時間がかかったり、停留されるのも嫌なので中止かなあ。

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