猪熊建夫◆新聞・TVが消える日
電子メールやブログの隆盛をみると、インターネットによってむしろ、漢字や活字に接する機会は増えているのではないか。
電子メールやブログでの発信は、文章をつくりあげる作業である。「手書き」時代に人々は日々、これほど文章をつづっていただろうか。わけても、小中学生や青少年がこれほど電子メールに夢中になるなど、「手書きの手紙」時代には考えられなかったことである。
ネットには、ヤフー、グーグルに代表される検索サイトやニュースサイトがあるが、その閲覧も文字や活字を読み取る作業である。
日々、こうしたサイトをのぞく多くの人がいる。
ネットがなかった時代に人々は、紙の辞典や辞書でこれほどの調べ物をしただろうか。
ともあれ、若者や青年を「活字離れ」「文字離れ」と決めつけるのは、やめた方がいい。新聞、本、雑誌といった紙メディアから離れ出しているのである。「紙離れ」が正解なのである。
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◆新聞・TVが消える日|猪熊建夫|集英社|ISBN:9784087204797|2009年02月 |新書
★★
《キャッチ・コピー》
テレビが消える!?大手新聞社が崩壊!?そんなシナリオが真実味を帯びてくるほど、進化したインターネット。ウェブに侵食され、変革を迫られるコンテンツ産業(テレビ・新聞・出版・音楽・ゲーム)は、この時代をどうやってサバイバルしていくのか。
《memo》
メディアの現況についての単なる解説書。
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