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2009.06.20

井上章一◆愛の空間

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文学作品中の描写が、歴史資料としてそれほど役にたつわけではない。

小説などには、表現の誇張がある。作者の空想でえがかれる部分も、ないとは言えない。慎重な歴史家なら、資料としての利用はひかえよう。

私も、その点はあぶなっかしく感じていた。だから、全面的にそれらへ依存してはいない。他の記録類にも、はばひろく目はとおしている。新聞や雑誌の記事、ルポルタージュ、各種統計、警察の報告などもチェックした。

にもかかわらず、愛着があるのは、小説や自伝のなかで散見する記録である。

なんといっても、感情のあやがうかがえるという点で、これらは群をぬいている。

エピソード風にしか活用できない難もあろうが、しかしエピソードはゆたかになる。データあつめに手間がかかっても、あえてその渉猟にこだわったゆえんである。

――あとがき

*

◆愛の空間|井上章一|角川書店|ISBN9784047033078199908

★★★★

《キャッチ・コピー》

終戦直後には「皇居前広場」という言葉が性交を連想させるほどに、かつては野外性交が一般的だった。しかし、待合、ソバ屋、円宿、ラブホテルなどの施設がうまれ、人々はもっぱら屋内で愛し合うようになる。日本人の男女が愛し合う場所の移り変わりを探る、性愛空間の建築史。

memo

『ノンフィクションと教養』所収、原武史選定ノンフィクションベスト10のうち。「井上章一の本は、すべてが優れたノンフィクションだと言っても過言ではない」(原)。

井上章一■ 性の用語集

井上章一■ 日本の女が好きである。

井上章一◆日本に古代はあったのか

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