高橋源一郎◆大人にはわからない日本文学史
おそらく、もっとも若い小説家たちは、ある意味でこの百年で初めて、口語に向かい合っているのです。〔…〕
口語というものはわかりやすく、文章語というものはわかりにくいという常識とは逆に、実は、わたしたちが喋っている口語というものにはほとんど意味がなく、いわば大半が単なる音であり、ノイズにすぎません。
しかし、わたしたちが、ほんとうはどこで、どんな場所で生きているのかと、自分自身に訊ねた時、答えとなるべき場所は、そんな、ノイズに過ぎない口語が生きる場所ではないのか。
若い作家たちの作品には、彼らのそんな意識が、色濃く反映しているのです。
*
◆大人にはわからない日本文学史|高橋源一郎|岩波書店|ISBN:9784000271011|2009年02月
★★★★
《キャッチ・コピー》
過去の堆積としての文学史を語り直すでもなく、文学史と無関係に新しい小説を読むのでもない。かつてない変化のただ中にある、日本の「文学」。この国の「文学史」について考え、「文学」の未知の未来を探る。
《memo》
大江健三郎、開高健から後、純文学は痩せ続けて、いまや絶滅寸前と思っていた。が、どうも違うらしい。だからといって読みたくはないが……。
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