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2009.06.05

加藤仁◆筆に限りなし――城山三郎伝

20090605kathohudeni

城山三郎はその作品を『自ら計らわず』もしくは『風車、風の吹くまで』と題していた。しかし梅澤英樹は反対し、城山と対峙する。〔…〕

売らなければならない、という“俗”を引きうける梅澤は『落日燃ゆ』というタイトルをひねりだす。〔…〕

しばらく城山は黙ったままでいる。そして「ぼくには、その意味がわからない……」と言う〔…〕

翌日、城山から電話があった。その口調に前日の重苦しさはなかった。

「あのね、家内に相談したら、これまでの作品のなかでいちばんいいタイトルじゃないかと言われてしまった」〔…〕

妻の一言を持ちだしたのは城山の方便であって、執筆に没頭するあまりタイトルにまで、いまひとつ気がまわらなかった虚を編集者に突かれ、どことなく気まずく思っていたのではないのか。

*

◆筆に限りなし――城山三郎伝|加藤仁|講談社|ISBN9784062153416200903

★★★★

《キャッチ・コピー》

城山三郎は「経済」を恐れなかったが、「文学」を畏れていた─。12000冊の蔵書、無数のメモ、書簡、日記…段ボール300箱に収められた未発表資料をもとに描き尽くす、昭和と格闘した作家の生涯。

memo

城山作品で最も気に入ったのは通産省の派閥抗争を描いた『官僚たちの夏』(1975)。何度も読んだ。

加藤仁■ 社長の椅子が泣いている

城山三郎■ 嬉しうて、そして…

城山三郎◆そうか、もう君はいないのか

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