« 金井美恵子◆昔のミセス | トップページ | 野口健◆富士山を汚すのは誰か――清掃登山と環境問題 »

2009.07.20

ノンフィクション100選★放送禁止歌・森達也

Nonfiction100

2000

当初、この唄を歌い始めた赤い鳥は、被差別地域の唄だと知ってからは自主規制を自ら進めていったという噂を至るところで聞いていた。

ほとんど定説になっていたといってもよい。しかしそうではなかった。

後藤[悦治郎]はこの30年間、テレビというマスメディアに出演するときも、田舎の小さなコンサート会場に呼ばれたときも、“もんぱ飯”の歌詞がついた『竹田の子守唄』を歌いつづけてきた。〔…〕

「部落にはいい歌がたくさんあります。抑圧されればされるほど、その土地や人びとの間で、僕らの心を打つ本当に素晴らしい歌が生まれるんです。

歌とはそういうものです。僕はそう確信しています。〔…〕

これからもそんな歌を発掘して、しっかりと歴史や背景も見つめながら、ライフワークとして歌いつづけてゆきたいと思ってます」

放送禁止歌|森達也|解放出版社|ISBN9784759254105200007

memo

上述の「竹田の子守唄」は、熊本県の「五木の子守唄」からの連想で大分県竹田市だとばかり思っていた。子どもを寝かしつけるための唄が〈子守唄〉、子守をする少女たちの労働唄〈守り子唄〉。京都市竹田地区での「竹田の子守唄」は後者。

この子よう泣く守りしょというたか

泣かぬ子でさえ 守りやいやや

どしたいこりゃ きこえたか

久世の大根めし 吉祥の菜めし

またも竹田のもんぱ飯

どしたいこりゃ きこえたか

70年代フォークなどで多発した“放送禁止歌”。本書はなぜ規制されたかを追う。岡林信康、泉谷しげる、高田渡等の歌詞が多数収録されている。80年以降、力強いフォークや“要注意歌謡曲”が消滅し、子どもの日記や作文のような歌詞をうたうシンガーソングライターが登場し、そして日本の“歌”は衰弱していく。

|

« 金井美恵子◆昔のミセス | トップページ | 野口健◆富士山を汚すのは誰か――清掃登山と環境問題 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 金井美恵子◆昔のミセス | トップページ | 野口健◆富士山を汚すのは誰か――清掃登山と環境問題 »