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2009.07.13

国末憲人◆サルコジ――マーケティングで政治を変えた大統領

20090713kunisuesarukoji

それまで、フランスの政権はエリート校のグランドゼコールを出た高級官僚によって牛耳られていた。〔…〕

国立行政学院(ENA)の出身者である。彼ら優秀な人々がすべてを仕切ることによって、フランス政治はエリートによって支えられている、との印象が定着していた。

サルコジは、このイメージの大転換を図った。〔…〕老練ですましたエリートの男たちでなく、アラブ移民二世やスポーツ選手出身の若く図々しい男女なのである。

フランスを支配するのは最早、親から財産と教育環境を受け継いだ受験勉強の秀才ではない。様々な分野で自らを売り込むことに成功した人々なのだ。

つまり、サルコジのように努力と野心ではい上がってきた成り上がり者たちなのである。

彼らに共通するのは、それぞれの人生がそのまま、注目に値する物語となっていることだ。

彼ら一人ひとりが成功者であるとともに、自らのサクセス・ストーリーを語ることもできる。そのような人物こそをサルコジも、メディアも、市民も求めていたのだ。

*

◆サルコジ――マーケティングで政治を変えた大統領|国末憲人|新潮社|ISBN9784106036361200905

★★★★

《キャッチ・コピー》

東欧移民二世の小男。結婚3回で妻は奔放なスーパーモデル。酒を呑まず、文化にも興味なし。私生活は世にさらし、公衆の面前で平気で他人を罵倒する─。「ストーリーテリング」というマーケティング技術を活用し、大衆の視線を常にひきつけるその政治手法を、気鋭のジャーナリストが解き明かす。

memo

「クリントン、ベルルスコーニ、ブレア、シュレーダー、サバテロ。彼らが登場した時、そのあまりの薄っぺらさにみんな驚いたものだよ。サルコジの登場でフランスもようやく追いついた(笑)」 (本書)。なるほど、日本の安倍や麻生、若い議員、知事連中の薄っぺらさも時代の必然だったのか。

バラク・オバマ/白倉三紀子:訳■ マイ・ドリーム――バラク・オバマ自伝

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